日替彼女

気持ちの醒めない日常


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悠里 〜アラフォー医者〜

悠里 37歳。

 

幼年期から負けん気が強くいつも2歳上の兄と一緒に遊んでいた為、やんちゃで男のこ相手にもケンカをしていた悠里。

 

黙っていれば美人で通るのにと友人からは言われるが、性格の強さからそれについてくる男性がおらず、いつも男から悠里の元を去っていく結果ばかりだった。

 

東京の有名な医科大学を卒業後、34歳まで都内で働き35歳という節目から地元山梨に戻り開業医として働く。

 

周りの医者はほとんど、男性。

 

その中で働き、負けん気で競ってきた。

 

影ではその強すぎる性格から、悠里は一人で大丈夫と言われる始末。

 

甘えたいのに甘えることができないその性格でいつも悩んでいた。

 

 

 

 

剛は、歯の定期検診をおこなっていたため今住む山梨の近所で歯医者を探した。

 

口コミがもっとも良い、悠里が働いている歯医者へと訪れた。

 

はじめてこの病院に訪れた時は、東京の住所だったため悠里は剛に「わざわざ東京から来てくれたんですね」と冗談まじりで剛に話かけたのがきっかけで話と印象がついた。

 

剛はいつもの優しい表情と声で「いろいろあって東京から地元に戻ってきたんです。」

「まだ、東京に用もあるので近いうちに住民票は移しますよ」と答えた。

 

「いろいろ」って何?といつもは気にしないだが、そのときだけは気になってしまった。

 

歯の検査も終わりそのときは、検査のときぐらいしか会わないだろうとお互い思っていたが、ワインによってお互い会うこととなる。

 

剛は、酒好き。ビールと地元山梨のワインが好きでよく醸造所へ買いに行っていた。

 

その日も地元で仲良くなった人たちと飲む為にと、醸造所へ訪れていた。

 

その醸造所に着いた時、「どっかでこの車みたなー」って感じで悠里の自動車を目にしたが気にも留めなかった。

 

醸造所の一角で騒ぐ同年代の女性グループがいた。

 

はやく帰らないかなと思っていながら、慣れたようすでワインを注文する。

 

残り1本となっていた好きなワインを見つけ、店員に頼む。

 

その後直ぐに一人の女性が絡んできた。

 

「わたしがこのワインを狙っていたのに、返してください」

 

エッと思って振り返るとそこには悠里がいた。

 

向こうも直ぐ気づいたようで気まずい空気が流れる。

 

剛は「先生も好きなんですか、このワイン」といって店員にこのワインは彼女にゆずってあげてと伝えた。

 

剛は、ワインを購入した後店員に「ありがとう」とお礼をして車に戻ろうとしたとき

 

悠里が足早にかけてきて、これ剛さんに返しますといって一本しか残っていなかったワインを差し出すが、「せっかく、お友達がきているのだからそのワインの美味しさを伝えてください」と伝え、頭を下げ車に乗り込んだ。

 

 

 

 

それから数日後、剛が季節の変わり目で親知らずが痛み再び悠里のところへいくこととなった。

 

悠里は、ちょっと気まずいなと思いながら剛の口の中の様子をうかがう。

 

治療中、悠里は「あのときはごめんなさい」というと、剛は「いえいえ」というように手を横に振った。

 

治療が終わりうがいをして、剛は「あのワインの味や香りはお友達にはいかがでしたか?」と言うと

 

悠里は「大変喜んでいました」と伝えると

 

「よかった、喜んでくれて」と笑顔で悠里に会釈をして待合室に戻ってしまった。

 

悠里は、不思議なひとという印象で剛の背中を見送った。

 

 

 

 

それから1ヶ月がすぎ、剛は甲府で行われたワインのイベントに友人1人と参加。

 

その横に悠里が友達と飲んでいることに気づいた。

 

「ご一緒にどうですか?」と剛が悠里にいうと「いえ、結構です」とそっけない返事をしたのに対して、悠里の友人は「いいですね!」と悠里の言葉を無視して、4人で飲むことに。

 

悠里は先日のことがあり、気まずいと思っていたが、剛が「あそこの醸造所のワインばかり飲んでしまうんです」と言う言葉に「私もそうなんです」と酔っていたせいもあってか身を乗り出すように答えた。

 

その行動に、悠里は顔が真っ赤になり下を向いてしまった次の瞬間。

 

先生、あのワイン美味いらしいから飲みましょうと空いたグラスを指差し一緒にワインを追加しようと誘った。

 

強いイメージで彼氏にも強引に誘われたことのない悠里は、ちょっと強引な剛に男気を感じ一緒に販売しているテナントまでついていった。

 

剛に悠里は「先生ってのも、なんか嫌なんで悠里って呼んでください」とお願いしたら

 

「じゃあ、悠里先生って呼びますね」と悪戯っぽい笑顔で言われて「もう〜」と言わんばかりに頬を膨らませて怒ってみせた。

 

「悠里、ごめん」と頭をポンっとされて

 

悠里は、急に呼び捨てにされたことと頭をポンとされたことでドキッとしてしまい剛の顔が見れなくなってしまった。

 

その後も4人で楽しく飲んだのに剛の顔を見ることができず、イベントの終わりの時間が訪れた。

 

イベントの終わる時間が早かったので4人はもう少し飲み直そうと近くのワインバーへはいり気づくと友人と悠里の友人がふたりで意気投合していてこの後二人で飲みに行くからと席を立ち、ワインバーを後にした。

 

残された剛と悠里はすこしそのバーで飲んだが、明日が仕事だという悠里がタクシーで帰るといい、同じ方向の二人はタクシー乗り場へと歩いていった。

 

悠里は、剛の行動から緊張してしまってタクシーが動き出す頃には降りる場所だけどうにか伝えウトウトし出していた。

 

完全に寝てしまっていた悠里は、剛に寄りかかっていたことも気づかずにいた。

 

着いたときは、降りることに精一杯で「じゃーまた」という剛の言葉に頭を下げ、直ぐに家に入って寝てしまった。

 

翌朝、二日酔いになっていた悠里は、そのときはじめて剛の上着が自分のところにあることに気づいた。

 

剛のさりげない優しさに母親が仕事に遅れることを伝えにくるまでぼーっとしてしまっていた。

 

タクシーのお金も払っていないし、上着を貸してくれたお礼もしていない。

 

最低な女だと思われているに違いないと自分のしてしまったことに1日不安とともに仕事をしていた。

 

予約の患者さんで精一杯で帰宅して昨日の疲れと自分のしてしまった後悔から帰宅してビールを一気に飲むとそのまま寝てしまった。

 

次の日、友人が剛の友達とのその後を話に悠里をランチに誘った。

 

乗り気ではなかったが、剛のことが知れるかもと思い友人とランチ。終始、友人のその後の足取りとのろけ話だけで肝心なことは聞けずにいた。

 

それから一週間後、4人でまた飲もうと付き合い始めた剛の友人と悠里の友人が剛と悠里を誘った。

 

悠里は、タクシー代と上着のお礼は言わなきゃと決心して集合した居酒屋へ。

 

悠里が着いた時には、3人は揃っていて酔わないうちにと剛へ上着を渡してお礼を言い、タクシー代を請求するも「悠里先生が風邪引かなくってよかった」と言って剛の音頭で乾杯し楽しい飲み会に入ってしまった。

 

そして、案の定悠里はまた、酔いつぶれて剛の肩に寄りかかりながら帰ることとなってしまった。

 

また、やってしまったと思いながらと思い電話ではなく、直接会って謝りに行こうと剛のカルテから住所を割り出し会いにいくことにした。

 

剛の自宅は病院からは遠くなく車では10分とかからなかった。

 

剛の自宅を見てビックリする悠里を見つけ、「美味しいドイツのソーセージだから」と言って焚き火の前でソーセージを炙る剛に促されて椅子にひょこんと座ることにした。