日替彼女

気持ちの醒めない日常


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朱里 〜大学生〜2

朱里は、バイトの帰りに剛の家にお泊まりをすることが日課となっていた。

 

何をするわけでもなくただ剛の住む家の香りにどこか人の温かさを感じ

 

いつもそっとかけてくれる毛布に住みついた剛の香りを楽しみにして、通い続けること2ヶ月。

 

剛が寝ている姿は、朱里は一度も見たことないのに気づいた。

 

朱里が眠りにつくときも目が覚めるときもいつも剛は起きていてちょっと不満もあった。

 

「この人いつ寝るのかな・・・」そう考えてもいつも気づくと剛の優しさでごまかされてしまう。

 

「ずるい」と感じても、もしかしたらそれを知ったら会えなくなるのでは?と思いにもかられ心の奥底へしまい込んでしまう朱里だった。

 

「わたしは、剛さんのなんなのか?」別に好きとも嫌いとも言ったことはない。

 

朱里自身、告白もしていない。

 

ただ、一緒にいる時間が恋人といるように温かい愛情で包まれていると思えば、喧嘩して冷たい水のような淋しさもあった。

 

でもそれは朱里が思っているだけで、何も変わらない時間がいつもそこにはあった。

 

それでも朱里は剛の素顔を全然知らないような気がして、知らない誰かに嫉妬したときもあった。

 

もっと、知りたい。どうしたらもっと知ることができるのか朱里がそう感じるようになり、いろいろ試すようになった。

 

剛は仕事の邪魔をすることだけは許さなかったが、それ以外は剛に寄りかかっても、手をつないでも、キスをしても優しく返してくれるだけで何も大きな変化はなかった。

 

ただ、一つ身体の関係にはならなかった。

 

ならなかったというより、されなかった。

 

勇気をもって、剛の前に下着姿になっても剛は優しい表情で服を着させて何事もなかったように振る舞う。

 

朱里が抵抗しても剛はギュッと抱きしめ頭を優しく撫でてくれるだけで何も起こらなかった。

 

泣いても同じ。

 

キスはするのに、なんでだろう。

 

他にここに来る女性はいるはず。

 

その人達のことが気になり朱里はルールにある「毎日は会わない」を無視して剛の家に来ることを決意したのだった。