日替彼女

気持ちの醒めない日常


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ゆう 〜パン屋さん〜1

ゆう、27歳。


小さい頃からパン屋をしたいと夢を抱き、小さいときから新しいパン屋さんがオープンしたという情報があれば、親を説得して連れて行ってもらった、ゆう。


ゆうは、高校生になったらすぐに近所のパン屋さんでバイトをさせてもらって今までずっとパンに囲まれた生活をずっとしてきた。


ゆうは、、色白で目鼻立ちもよく「美人」。


高校時代。その美貌から多くの男性がそのバイト先に連日のように通っていたが、誰一人彼女を振り向かせることができずにいた。


パンにしか興味がないといったほうがいいほど。全く男性への興味がなかった。


そんなパン好きが講じて、24歳の若さで小さなトレーラハウスを改造したお店を持つこととなる。


もちろん、そこにもゆうを目当てに来る男性客は多く通っていたのだが誰一人、デートに誘えたひとはいなかった。





食材にもこだわり、地元山梨の食材を使った。特に小麦は実家の側の自然豊かな場所でこだわって作っていたほどのゆうだった。




そんなある日。


友人から変わった美味しいパンがあるよ。お酒にも合うと薦められて剛は、ゆうのお店へ行くようになりはじめた。


そのお店までは、車で行くより愛車のロードバイクで行くことが多くゆうの中では「自転車のひと」として認識されていた。


剛が、買うのは「お酒に合うパン」。基本買うものは同じ。ゆうは一度だけ「いつもなぜそれだけを選ぶのか」と聞いたら「お酒に合うから」と言ったことを覚えており


剛が来た時に、お酒に合いそうな新作があると薦めては、「試してみます」と買ってくれる剛にうれしく思っていた。


剛は特別感想を言うわけではないが、そのパンが気に入ると買っていく。気に入らないと買わないと反応がわかり。


いつからか、ゆうにとっては新作の採点者となっていた。


そして決まって剛は、水曜日には必ずといっていいほど店に来る。雨が降ったりすると翌日。


午後2時くらい。自然とその曜日と時間に新作を出すようになったゆう。


全部、売れちゃったら困ると思って、ゆうはいくつかはお店の工房内にも確保していた。






天気のよい、散歩するには心地よい快晴のある水曜日。いつものように剛がきた。


その日は珍しく、剛から「新作あります?」とゆうに聞いてきた。


「あ、ありますよ。こちらです。」と話しかけられビックリしてしまい声がうわづる。


「食べさせたい人がいるから、多めにほしい」という剛に対して


ゆうは、「あー彼女さんにか・・・」と心の中でつぶやいていた。





この時は、ゆう自身気づかなかったが、はじめて嫉妬したのだった。




ある日のこと


ゆうは、小麦の収穫に畑にいた。


眺めがよく、心地よい風の吹くその畑は、ゆうの一番のお気に入りだった。


収穫が終わり1人畑を眺めていたとき。


剛がたまたま、ゆうの畑の前を通りかかったら、お互い目が合って、


「あー」と心の中で呟いた。


畑のところにいたゆうに「何やってるんですか?」と聞く剛に対して


ゆうは、「小麦の収穫です。」で答えると…


「ちょっと、まってて」と剛に言われ少し待っていると


「いつも、美味しいパンをありがとうございます」と言いながら温かいお茶をどっからか買ってきて渡してくれた。


温かいお茶を一口飲み、畑の端から道端に出ようとした時、


思った以上に身体は疲れていたようで道端に出ようとした瞬間よろめいて身体が傾いたとき、


剛が「危ない」とゆうをグッと自分の方へ引き寄せようとしたが、間に合わず2人とも畑に転げ落ちてしまった。


ゆうが、ハッと気づくと自分をかばって剛が自分の下でクッションになってくれて泥だらけ。


ゆうは、直ぐに起き上がり「ごめんなさい」と言って剛を置いて車に乗ってその場を逃げるように離れた。


そんな事があった後の水曜日、何事もなかったかのように剛は店に現れた。


その日は、たまたま忙しいタイミングでパンを買って剛は帰ってしまった。





次の水曜日は、天気が良かったのにも関わらず剛は姿を見せなかった。


ゆうは、「なんで来ないの?」とすごく悲しくなり、すごく落ち込んだ。


次の日、剛は姿を見せた。


ゆうは、心の奥底に熱いものを感じた。