日替彼女

気持ちの醒めない日常


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ゆう 〜パン屋さん〜4

ゆうは、コンビニエンスストアへ立ち寄った。

 

いつも買っている、ファッション雑誌と旅行雑誌を手に取り、温かいコーヒーを飲むためにレジにいる女性に注文した。

 

「あなたは剛さんの彼女ですか?」

 

ゆうはビックリした顔でカウンターの中にいる女性を見た。

 

そこには自分よりまだ若い女性がゆうの方を睨んでいた。

 

「ねー答えなさいよ。おばさん。」

 

「剛さんと旅行行くの?」

 

「絶対許さない。」

 

強い口調でゆうに言葉が襲いかかる。

 

 

 

ゆうはビックリして、何も買わずに店を飛び出す。

 

「なんなの、あのレジの女。」

 

ゆうは、急いで車に乗ろうとすると腕をギュッと掴まれる。

 

振り返るとさっきの若い女が今度は涙ぐんでか細い声で

 

「ねー、お願いだから待ってよ」とゆうに言った。

 

状況がつかめないまま、ゆうはその女が仕事を終える間、車の中でコーヒーを飲みながら待っていた。

 

その女が仕事を終え、ゆうの方に歩いてくるのが見える。

 

ゆうが窓を開け、「車に乗って」と伝え下を向いたまま助手席に若い女が乗り込む。

 

ゆうは、その女から事情を聞いて、剛がどんな人間か知る。

 

でも、ゆうはその女の言うことを信じれなかった。

 

若い女の話だと2日間連続して会うことはないというが、ゆうは2日連続で会っていた。

 

それに他に女性が来たような形跡もなかった。

 

(もしかして、嫌がらせかな)

 

と思ったが。なぜこの若い女は私が剛さんとあったことがあるのを知っているのだろうと疑問に思い質問をした。

 

この若い女。ゆうと剛が楽しくピザを食べている姿を隠れてみていた。もちろんゆうをおんぶした姿も。次の日、ゆうが車を取りにきているのも。

 

その話を聞いた時、怖くはなったが特別危害を加えられていないので話を聞いた。

 

若い女の願いは剛に会いたいというものだった。

 

ゆうは、剛を奪われたくない。せっかく楽しい時間がこれからありそうなのに邪魔されたくないと思い、私には何も力にはなれないと伝え、泣き出す若い女を車から降ろし車を剛の家に走らせた。

 

剛の車はあり、窓も開いていた。

 

(いるかも)

 

と思い車を停め家に近づく。

 

今日、剛さんと会えれば3日連続。

 

あの若い女の嘘だと確信できると感じ、室内に剛がいないか探す。

 

(いた!)

 

そして、声をかけると剛は優しい表情でゆうの前まで来た。

 

(ほら、やっぱり)

 

と思い、家に入っていいか聞くと

 

「コーヒーいれるよ」といい、剛はキッチンへ。ゆうは室内へ入る。

 

ゆうは、どうしても剛を独り占めしたいと思い、キッチンに行き剛を後ろから抱きしめる。

 

剛は、なにも言わずやかんの火を見つめている。

 

ゆうは勇気を振り絞り「旅行に行きたい」と伝えると剛は「いいよ」と即答で返事が返ってくる。

 

(ざまあみろ、あの女。嘘ばかりついて)

 

ずっと離れないゆうを別に気にすることなく湯が沸きコーヒーをいれ、ゆうにコーヒーを渡す。

 

ゆうは、勇気を振り絞って剛に質問する。

 

「私のこと好き?」

 

剛は、表情変えずに顔を横に振る。

 

「嫌いなの?」と聞くとまた顔を横に振る。

 

ゆうは、期待した答えではないことにビックリしてコーヒーをその場で落としてしまったまま、ゆうは車に乗りこみ、剛の家をあとにしたのだった。