日替彼女

気持ちの醒めない日常


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ハル 〜謎の女〜

「やっと見つけた」ハルは呟く。


(やっぱり、地元に戻ってたんだ。)


(よかった、生きててくれて)


「ここが、剛の住むところか〜。何もないところね〜。パン屋さんどこかしら…」


ハルは、あるパン屋さんを探すため地元のタクシーに乗り込み案内してもらう。






着いたパン屋さんは、トレーラーハウスを改造した小さなパン屋さんだった。


入り口をバンッと開けて室内を見渡す。


いるのは、びっくりした女性のみ。


その女性に向かって、足早に目の前に行き


ある男性の写真を見せる。


ハルの目の前の女性は写真を見ると表情が曇る。そしてハルを泣きそうな顔で見る。


ハルは、


(この女性は剛のことを知っている。)


と心でつぶやきながら、


「仕事終わりに話したいんで。」と伝え、閉店後のパン屋で話をする約束をした。






辺りは、もう真っ暗。人通りの少なくなった道をハルはタクシーでパン屋まで向かっていた。


午後9時すぎ。


パン屋は、暗闇の中にポツンと灯りがついていた。


ハルは、昼間とは違い静かにドアを開け「こんばんは」と中に入った。


ハルに気づくと屋外のライトを消して、ドアを閉め「どうぞ」と言ってカウンターのところへ案内する。


パン屋の女性は、椅子をカウンターのところに用意し、コーヒーを入れた。


ハルは、名刺を2枚差し出した。


1枚はハルと思われる女性の名刺と剛と思われる名前の入った名刺だった。


その時、パン屋の女性はボーっと名刺を眺めているだけだった。


コーヒーを一口飲んで、ハルは話し出す。


剛の今までのこと、知っている限りのこと全て。


そして、ハルが来た目的もパン屋の女性に話をした。


パン屋の女性は、終始ビックリしていた。


そして、ハルの話が終わると今度は、パン屋の女性は、自分の知る限りのことを伝えた。


今度は、ハルがその話にビックリしていた。